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「最近、社員のランチがコンビニばかりだな‥」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
忙しい日々のなか、手軽に済ませられる食事に頼るのは仕方のないこと。でもその選択が、気づかぬうちに栄養バランスの偏りや午後のパフォーマンス低下につながっているかもしれません。
そして、こうした毎日の食事の積み重ねが、社員の体調だけでなく、会社の働きやすさやチームの元気、さらには会社のこれからにも大きく関わってきます。
「健康経営」と聞くと、大企業の話だと思いがちですが、実は食生活のサポートは、中小企業でも無理なくできる工夫がたくさんあります。

こんにちは、Sailing Dayの羊一です。
健康は、「食事・運動・睡眠」で成り立っていると言われています。
この記事では、手間やコストをかけすぎず、社員の健康と会社の元気を支える食生活の取り組みをご紹介します。
1. なぜ“食生活”が健康経営の中で注目されているのか?
たとえば、コンビニ食やジャンクフードに偏ったり、朝ごはんを抜いたりすると、体調を崩しやすくなるだけでなく、集中力の低下や仕事のパフォーマンスの悪化、さらにはメンタル不調にもつながる恐れがあります。
だからこそ健康経営では、「病気になってからの対応」ではなく、日頃から社員が健康的な食事をとれる“環境づくり”が重視されているのです。

社員の健康づくりというと、運動やメンタルヘルスに目が向きがちですが、実は毎日の食事習慣こそが健康状態を大きく左右しています。


(1)社員の食生活向上のために企業がすべきこと
食生活は、体調や集中力、そして仕事のパフォーマンスに直結する大切な要素。
だからこそ、企業として“健康的な食の習慣”を後押しする環境づくりが求められます。
といっても、大がかりな制度や設備が必要なわけではありません。
ちょっとした工夫で、社員の「選ぶ食」が変わっていく可能性は十分あります。
たとえば、
◎社内で注文できる、栄養バランスの整った仕出し弁当の導入
◎自販機や給湯室に、無糖飲料やヘルシーな間食を追加する
◎管理栄養士によるミニセミナーやコラムで、知識と関心を高める
このようなサポートがあるだけで、社員は「健康的な選択をしやすく」なります。
無理なく続けられる習慣こそが、心と体の安定につながり、結果として職場全体の生産性や定着率にもプラスに働いていきます。
健康経営は特別なことではなく、日々のちょっとした配慮の積み重ね。
そのスタートとして、まずは食生活の環境づくりから始めてみましょう。
(2)無理なく始められる食生活サポート
①健康的な選択肢を“さりげなく”用意する
▶︎ 仕出し弁当・宅配サービスを導入(おかん・Fit Food Bizなど)
栄養バランスの取れたお弁当を会社で注文できるようにするだけでも、食の質が改善!
▶︎ 自販機や給湯室の見直し
砂糖入り飲料を減らし、無糖や低カロリーの飲み物に入れ替えることで、自然と健康志向の選択がしやすくなる。おやつにはナッツや栄養補助食品を設置し、間食も体に優しい選択肢を。
②情報提供や“きっかけづくり”を行う
▶︎ 管理栄養士によるセミナーやコラムの配信
月1回の簡単な読み物でも、「あ、今月は野菜を意識しよう」といった気づきになる。
▶︎ 健康キャンペーンの実施
例:「朝ごはん強化月間」「野菜摂取チャレンジ」「揚げ物オフデー」など、参加型の企画で楽しく意識づけ。
③社員の食環境をサポートする
▶︎ 朝食を会社で提供(または補助)
朝食を抜いて出社する社員が多い場合、簡単なパンやスープの支給を検討。
▶︎ 食費補助制度を設ける
健康的な店舗で使えるチケットや、ヘルシー弁当への補助を導入すると、行動が変わりやすくなる。

「まずは自販機を1つ見直す」「月1のコラムを配信する」など、小さな一歩でOKです!
社員の意識が変われば、自然と行動も変わり、体調や業務効率にも好影響が現れます。
2. 健康経営優良認定法人申請時のチェック項目
経済産業省が認定している健康経営優良法人認定制度には、申請時、下記の健康経営のチェック項目があります。
1.社員食堂・仕出弁当、現物支給、金銭補助等を通じて、健康に配慮した食事を摂取できるような環境整備・支援を行っている
2.自動販売機や訪問販売等において健康に配慮した飲料・栄養補助食品を提供している
3.食生活改善に向けたアプリ提供、カロリー記録等のサポートを実施している
4.外部事業者・管理栄養士等による栄養指導・相談窓口を設置している
5.朝食欠食対策として社員食堂等で朝食を提供している(飲料・栄養補助食品の提供を除く)
6.定期的・継続的な食生活改善に向けた企画を実施している(例:腹八分目運動、野菜摂取週間、料理教室等)
7.特に行っていない ⇒評価項目不適合
実際、企業はどんな取り組みをしているのか見てみましょう。
(1)食生活サポートの参考企業例
実際、食生活サポートをしている企業はこんなことを行なっています。
企業名(出典リンク) | 実施内容 | 効果 |
---|---|---|
株式会社タニタ | 社員食堂で健康的なメニュー提供 | 社員の健康意識が高まった |
株式会社オートバックスセブン | 「おかん食堂」サービス導入 | 食生活改善が促進、健康意識も向上 |
株式会社ヤフー日経新聞より抜粋 | 社員食堂で「揚げ物税」導入 | 揚げ物が1/3に減少、魚料理は3倍に増加 |
株式会社タニタ
運動なども組み合わせ、医療費の削減やメタボ認定者の減少といった成果を上げてます。風邪をひきにくくなった方も多くなり、従業員の欠勤「アブセンティーイズム」も減っています。
健康経営優良認定法人申請時のチェック項目に当てはまるもの
1.社員食堂・仕出弁当、現物支給、金銭補助等を通じて、健康に配慮した食事を摂取できるような環境整備・支援を行っている
株式会社オートバックスセブン
健康経営の取り組みとして、導入している「おかん食堂」とは野菜、肉、魚などのお惣菜を安く購入できます。手軽にバランスのよい食事がとることができます。食生活に気をつけることで自然と健康意識も向上してとても良いですよね!
健康経営優良認定法人申請時のチェック項目に当てはまるもの
1.社員食堂・仕出弁当、現物支給、金銭補助等を通じて、健康に配慮した食事を摂取できるような環境整備・支援を行っている
ヤフー株式会社
社員食堂で揚げ物料理の一部を100円値上げを実施しています。
そのかわり、焼き魚や煮魚などの定食メニューを150円値下げ。揚げ物メニューの値段を上げることで、働く人に、揚げ物を食べる頻度を減らしてもらおうという取り組みです。昼食代も安く済み、健康的になれるのは嬉しいです!
健康経営優良認定法人申請時のチェック項目に当てはまるもの
1.社員食堂・仕出弁当、現物支給、金銭補助等を通じて、健康に配慮した食事を摂取できるような環境整備・支援を行っている


多くの企業が、健康的な食事支援に取り組んでいます。
健康経営を進めるうえでは、社員が無理なく健康習慣を身につけられる環境づくりが大切です。
(2)中小企業が今すぐ始められる食生活の取り組み
外食だと「ラーメンとチャーハンのセット」「カツ丼と味噌汁」
コンビニだと「カップラーメンとおにぎり」

こんな生活になっていないでしょうか?

こんな糖質だけの食事では、血糖値の急上昇&急降下を招き、午後の眠気やだるさにつながってしまいます。

ですが、この食事に野菜やたんぱく質を加えると、血糖値の波をゆるやかに保ち、脳も体もスムーズに働いてくれて、午後のパフォーマンスもアップします。
先ほどご紹介した健康経営優良法人認定のチェック項目に合わせて、どんなことができるか見てみましょう。
1.社員食堂・仕出弁当、現物支給、金銭補助等を通じて、健康に配慮した食事を摂取できるような環境整備・支援を行っている
→健康弁当の注文制度(例:「おかん」や「Fit Food Biz」など)を導入。また仕出し弁当業者と提携し、バランスの取れたメニューを選べるようにするのも◎
2.自動販売機や訪問販売等において健康に配慮した飲料・栄養補助食品を提供している
→自販機業者に健康系飲料(糖質オフ・低カフェイン)をリクエストしてみましょう。健康に配慮した間食はオフィスグリコもおすすめです!
3.食生活改善に向けたアプリ提供、カロリー記録等のサポートを実施している
→自主的に使える無料アプリ(カロミル・あすけん等)を社内報などで紹介したり、1週間の食生活を記録してみる「社内チャレンジ企画」を実施してみる。
4.外部事業者・管理栄養士等による栄養指導・相談窓口を設置している
→健康保険組合・地域の産業保健センターで提供される栄養相談を案内。また管理栄養士によるオンライン相談をスポット契約してみるのも◎
5.朝食欠食対策として社員食堂等で朝食を提供している(飲料・栄養補助食品の提供を除く)
→朝食提供が難しい場合、「朝におすすめの軽食(例:バナナ・ゆで卵)」を置いてみる。朝食の重要性を伝えるミニ資料や社内ポスターの掲示も大切です!
6.定期的・継続的な食生活改善に向けた企画を実施している(例:腹八分目運動、野菜摂取週間、料理教室等)
→「野菜多めランチを選んでみよう週間」など短期的な社内キャンペーンを実施したり、社員のレシピ募集をし、健康レシピを社内報や掲示板で紹介してみましょう。
このように中小企業でも無理なく、楽しく始められることがたくさんあります。

大切なのは、すべてを完璧にやろうとすることではなく、
できることからコツコツと、そして社員みんなで取り組むこと!
小さな工夫やアイデアでも、健康経営の立派な一歩になります。
まずは、できそうなことから「楽しく」始めてみましょう!
(3)申請にあたり保存しておくべきデータ
健康経営優良法人の申請に際しては、申請内容の正確性と信頼性を確保するため、申請期間の最終日から2年間、申請内容を裏付ける資料の保存が義務付けられています。
「食生活の改善に向けた取り組み」では、下記のデータが求められる場合があるので、用意しておきましょう。
食生活改善に関するルール・制度が明文化された資料
もしくは、
食生活改善に向けたイベント等の実施を確認できる社内の様子を撮影した写真 等
担当者は、しっかり資料をまとめておき、イベント実施時は写真撮影を忘れないようにしましょう。
データ類は、申請期間最終日から2年間保存し、当該資料の提出を求められた場合には1週間以内に対応しましょう。
3. 食生活サポートは従業員にとっても嬉しい
働いていると忙しくて、なかなか自分の健康が疎かになってしまうことがあります。
そんな時、企業の取り組みとして、こんな待遇があり、「ここでずっと働きたいな」と思ってもらえれば、離職率は下がり、企業の評価も自然と高まります。
食事で体調を整えることで、風邪などの従業員の欠勤「アブセンティーイズム」も減ります。
食生活のサポートは、なかなか自分では変えることのできない食習慣の改善が、勤務中に変えれらると好評です。

社員全体の健康意識が高まれば、医療費や休職リスクも減り、「健康的な会社=働きたい会社」として企業の魅力もアップします。
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4. まとめ
このブログでは、なぜ健康経営を取り組む企業が多いのか、会社が従業員の健康を気にする理由について解説しました。
◎ 社員のランチがコンビニばかり=栄養バランスが心配
◎ 偏った食事は、集中力や体調に悪影響
◎ その影響は、会社の元気や働きやすさにもつながる
◎ 健康的な食の選択肢を「そっと用意」するだけでOK
◎ 自販機の見直しや、仕出し弁当、軽食の工夫が効果的
◎ 健康経営は、特別なことより「続けられること」が大事
◎ 社員の健康意識アップで、企業の魅力もアップする!
◎ ポイント
「美味しい+健康」が続けやすい!従業員も会社も嬉しい!