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朝からちょっと疲れてる、午後になると集中が切れる…。
その原因、もしかしたら鉄分不足かもしれません。
働く女性の約6割が貧血または隠れ貧血といわれています。

Sailing Dayの羊一です。お茶や味噌汁を作るだけで自然に鉄分を補えることから“飲むサプリ”とも呼ばれているのが「南部鉄器」。今回は、南部鉄器が生み出す“伝統×健康経営”の新しいアイデアをご紹介します!

1. 鉄分の重要性と健康経営における意味
体のすみずみに酸素を運ぶヘモグロビンをつくる大切なミネラルです。
さらに、エネルギー代謝や脳の働きにも深く関わっており、健康と集中力を支える“縁の下の力持ち”といえます。
(1)鉄分が不足するとどうなる?
鉄分が足りなくなると「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる状態に。体が酸欠気味になり次のような不調が現れやすくなります。
主な症状 | 内容 |
---|---|
💤 倦怠感・疲れやすさ | 体がだるく、休んでも疲れが取れない |
😵💫 立ちくらみ・めまい | 急に立ち上がるとクラクラする |
🤕 頭痛・集中力低下 | 頭が重く、仕事に集中できない |
😣 イライラ・気力の低下 | なんとなくやる気が出ない |
💅 肌荒れ・爪の変形 | お肌や爪のトラブルが増える |

“ちょっと疲れてるだけ”と思っていた不調、実は鉄分不足のサインかもしれません。この小さなSOSを見逃さないことが健康経営の第一歩。
(2)健康経営の視点で見る「鉄分ケア」
これらの不調は、個人の健康だけでなく仕事のパフォーマンスにも直結します。厚生労働省も「貧血による倦怠感や集中力低下は、生産性に影響する」と注意喚起しています。

つまり、社員の鉄分不足は放っておけない“経営課題”でもあるのです。
社員がベストコンディションで働くためには企業として栄養面のサポートや社内啓発も重要な取り組みになります。
(3)特に注意したい、女性社員の鉄分不足
女性は月経などによって鉄を失いやすく、ある調査では働く女性の鉄分摂取充足率がわずか10%未満という結果も。
妊娠・出産期にはさらに鉄の需要が高まり貧血による倦怠感が業務効率の低下や長期的な体調不良につながることもあります。

“頑張りたいのに体がついてこない”という声、実際によく聞きます。だからこそ職場での鉄分ケアは“働き方改革の一部”と考えていいと思います。
2. 南部鉄器で鉄分補給!その仕組みと驚きの効果
(1)「飲むサプリ」と呼ばれる理由
伝統工芸品の南部鉄器が“飲むサプリ”と呼ばれるのは鉄瓶や鉄鍋を使うことで料理や飲み物に鉄分が自然に溶け出すからです。
南部鉄器の鉄鍋で味噌汁を作ると普通の鍋の約6倍の鉄分が含まれるという実験結果があります(鉄鍋:4.43mg/非鉄鍋:0.78mg)。
この味噌汁を1日2杯飲めば男性の推奨摂取量(8mg)をほぼ満たすほど。女性でも不足分をしっかりカバーできます。
また、鉄瓶でお湯を沸かすだけでも微量の鉄イオンが水に溶け出すため毎日の白湯やお茶で手軽に鉄分補給が可能です。
ただし、ホーロー加工された鉄瓶では鉄が溶け出さないので注意しましょう。

お湯を沸かすだけで栄養になる”なんて、ちょっとワクワクしますね!
(2)南部鉄器から出る鉄分、その効果は?
では、南部鉄器で本当に鉄分は摂れるのでしょうか?
答えは「はい」。しかも、その鉄の質がポイントです。
南部鉄器でお湯を沸かしたり料理をすると、鉄の表面から「二価鉄(Fe²⁺)」と呼ばれる形の鉄が少しずつ溶け出します。
この二価鉄は、野菜などに含まれる「三価鉄(Fe³⁺)」よりも5〜7倍も吸収されやすいといわれています。
つまり、南部鉄器で作ったお茶や味噌汁は吸収されやすい鉄が自然にプラスされるわけです。
日本調理科学会の研究でも南部鉄器から溶け出す鉄の約8〜9割が二価鉄であることが報告されています。少量でも効率よく吸収される、これが“飲むサプリ”と呼ばれる理由です。

サプリみたいに“吸収率の高い鉄”が毎日の食事から自然に摂れるのがいいですね!
(3)科学的にも注目される健康効果
鉄分は酸素を運ぶだけでなく、体の中でエネルギーを生み出すミトコンドリアの働きにも関係しています。
鉄をしっかり摂ることで代謝が活性化し、心臓や血流の働きが良くなる可能性も示されています。
実際、南部鉄器のふるさと・岩手県では鉄器を日常的に使う人々の心臓年齢が若い傾向にあるというデータも。

伝統工芸と健康がつながるって、なんだか“日本らしい知恵”を感じますね。
(4)「チリも積もれば山となる」毎日の一杯が効く
もちろん、南部鉄器は医薬品やサプリではありません。鉄瓶で沸かしたお湯1リットルに含まれる鉄分は数ミリグラム程度。
1日の必要量(10〜18mg)と比べると少なく感じるかもしれません。
でも、“チリも積もれば山となる”。
毎日のコーヒーやお茶、味噌汁を鉄瓶で作ることで、少しずつ鉄分をプラスできます。
実際に「鉄瓶で沸かした白湯を続けたら体がラクになった」「貧血気味の私には欠かせない」という声もあり、日々の小さな習慣が体調改善につながっていることがわかります。

“鉄瓶白湯”って昔ながらだけどいまこそ見直したい健康習慣ですね!
3. 鉄分不足は社内にどう影響するか?
鉄分不足や貧血が広がると、実は職場全体のパフォーマンスにも大きな影響を及ぼします。本人にとっては「疲れやすい」「集中できない」といったつらさだけでなく、その結果としてミスの増加や作業効率の低下にもつながります。
上司や同僚からは「やる気がない」「怠けている」と誤解されることもあり精神的なストレスを抱えてしまうケースも少なくありません。
自覚がなくても仕事の能率を下げる、それが鉄分不足の怖いところです。
さらに、症状が重くなると、作業中に立ちくらみやめまいで倒れてしまう、通勤中に体調を崩すといったリスクも。
これはオフィスワーカーだけでなく、現場作業や接客業にも共通する安全面の課題です。
(1) 女性社員への配慮も重要
特に女性社員の多い職場では、鉄分ケアが欠かせません。女性は月経による鉄の損失があり慢性的に鉄欠乏になりやすい傾向があります。
さらに、妊娠中は血液量が増えるため貧血リスクがいっそう高まります。倦怠感や息切れなどの症状が出ると、業務効率の低下や休業増加につながることもあります。

出産後も授乳で鉄が失われやすく、復職後の体調不良に悩むケースも少なくありません。
(2) 企業ができる「気づき」と「予防」
最近では、定期健診の血液検査にヘモグロビン値やフェリチン値(貯蔵鉄)を追加する企業も増えています。
鉄分不足は改善に時間がかかるため、早期発見・早期対策がポイントです。
また、「もしかして自分も鉄不足かも?」と社員が気づくだけでも大きな前進。
社内掲示やセミナーなどで、鉄分とパフォーマンスの関係を伝える取り組みも効果的です。

鉄分ケアは日々の暮らしや職場の中に自然に取り入れられる方法があります。たとえば、毎日の“お茶の時間”を少し変えるだけで。
次は、そんな“南部鉄器を使った社内アイデア”を具体的に見ていきましょう!」
4. 社内で南部鉄器を活用するアイデア


鉄分ケアを“仕組み”として続けるには社員が自然に・楽しく・無理なく取り組めることがポイントです。
ここでは職場で南部鉄器を活かすための具体的なアイデアを紹介します。
(1)南部鉄器を活かした社内アイデア集
社員食堂がある企業ならまずは調理に南部鉄器の鍋やフライパンを使うことから始めてみましょう。
鉄鍋で調理すると、汁物やソースなどに鉄分が自然に溶け出すため食事から無理なく鉄を補えます。
特におすすめなのは、味噌汁・スープ・カレー・トマト煮込みなどの水分を多く含む料理。
お酢やトマトなど酸味のある食材を加えるとさらに鉄の溶出量がアップします。

“鉄鍋でつくる社食の味噌汁”ってなんだかあったかい響きですね。美味しくて体にもいい。社員の健康を“おいしく支える”取り組みです。
次におすすめなのが、給湯室やリフレッシュスペースへの鉄瓶設置です。
鉄瓶で沸かしたお湯には、微量の二価鉄が溶け出し、毎日の白湯・お茶・コーヒーで自然に鉄分補給ができます。
カルキ臭が抑えられて味がまろやかになるため、「このお茶おいしいね」と話題になることも。
オフィスのちょっとしたティータイムが「健康促進とコミュニケーションの場」になります。

健康経営って、立派な計画書より給湯室の“ちょっとしたひと工夫”から始まるものかもしれませんね。
こうした小さな仕掛けが社員の気づきや会話を生みますね。
健康経営を社内外に発信する取り組みとして南部鉄器を社員へのプレゼントや記念品にする企業も増えています。
例えば、
◎健康習慣チャレンジへの参加賞として「南部鉄玉(てつぎょく)」を配布
◎周年記念に南部鉄器マグカップや急須を贈呈
◎地元工房とのコラボで地域貢献×健康経営を実現
どれも“長く使える・健康を支える・話題になる”三拍子そろったアイデアです。

モノを配るだけじゃなく“健康を贈る”っていいですよね。伝統工芸を応援しながら社員の健康を守る。まさに一石二鳥です!
健康経営を“堅いテーマ”で終わらせないためにイベント形式での発信もおすすめです。
たとえば、
「南部鉄器で淹れるお茶会」や「鉄瓶白湯カフェDAY」
◎管理栄養士を招いた「鉄分セミナー+試飲会」
◎地元メーカーとのコラボ展示
◎社員が実際に触れ、味わい、体験することで、南部鉄器の魅力と鉄分ケアを楽しく学べます。

“健康=楽しい”と思える瞬間が増えたとき職場の空気がふっと軽くなります。無理なく笑顔で続けられる習慣を育てていきたいですね。
次の章では、実際に南部鉄器を取り入れた企業の声や社員のリアルな反応を紹介します。「伝統×健康×職場」の相乗効果をぜひ感じてください!
(2)企業事例

では、実際に鉄分不足対策に取り組んだ企業や利用者の声を見てみましょう。南部鉄器そのものの導入事例はまだ珍しいですが、鉄分ケアの重要性に着目した企業の取り組みはとても参考になります!
ロート製薬株式会社
(大阪府/医薬品・化粧品・機能性食品/従業員数:単体1,529名(うち女性883名)※2019年度)
女性社員の体調不良(いわゆる“不定愁訴”)に着目し、社内アンケートでは5人に3人がなんとなく体調がすぐれないという結果が出ていました。 こうした状況を受けて、同社では「鉄不足(鉄分の充足率が非常に低い)」がこの不定愁訴の一因ではないかと考え鉄分補給と体質改善を目的としたプログラムを実施しました。
【施策】
① 「体質改善28Day’sチャレンジ」~鉄不足対策と不定愁訴改善プログラム~を2018年2月〜3月に実施。参加者は31名(女性25名、男性6名)。鉄分含有ゼリーの毎日摂取、ヘモグロビン推定値測定、習慣記録手帳による可視化などを組み合わせました。
② 社内食堂とのコラボで「鉄分UPメニュー」の提供、貧血チェックイベントの実施、健康宣言の制定など多数の健康経営施策を併行。
【成果】
◎ プログラム参加者の54%が「不定愁訴の頻度が減った」、50%が「体質・体調の改善を感じた」と回答。
◎ 鉄分補給や健康習慣への意識が高まり、社内文化としての健康経営推進が加速しました。
(参考:働く女性の不定愁訴改善に向けて、ロート流“鉄活”を実施「体質改善28Day’sチャレンジ」結果報告より)

ロート製薬さんは“鉄分不足=働く女性の健康課題”を企業活動に落とし込んでいます。社員の体調を守ることで、会社の強みも広がるという好例です。
及源鋳造株式会社
(岩手県奥州市/南部鉄器製造/創業1852年)
岩手県奥州市にて170年以上続く南部鉄器の老舗。伝統技術を生かしながらモダンなデザイン展開も進めています。鉄器が持つ「鉄分が溶け出す」特性が健康ツールとしての価値を持ち始めておりライフスタイル提案型のブランドへと拡張中です。
【施策】
① 鉄器ブランド「Palma(パルマ)」を展開し現代生活に合った鉄器文化を提案。デザイン重視でライフスタイルに溶け込む鉄器として訴求。
② 体験型ショップでは鉄瓶で沸かしたお湯の試飲などを実施し、「鉄分ケア=日常の一杯から」という暮らしの提案をしています。
【成果】
◎ 鉄器に対する「使う道具としてだけでなく健康を支える器具」という認識が広まりつつあり若年層・ライフスタイル重視層へも支持が拡大しています。
◎ 伝統産業としての価値を維持しながら新たな市場・用途を開拓するモデルケースとして注目されています。

及源鋳造さんは、南部鉄器を“伝統工芸品”から“健康生活の道具”へと進化させています。職場に取り入れることで「道具が社員の健康を支える」新しい視点が生まれそうです。
5. まとめ

健康経営って、難しいことを始めるより“毎日の暮らしを少し良くする”ことから。
南部鉄器のように伝統の道具が社員の健康を支える職場。そんな企業がこれからの時代をリードしていくと思います。
◎ 鉄分ケアは健康経営の新しい柱に
▶︎ 鉄分はエネルギーと集中力の源。社員のパフォーマンス維持には欠かせない要素です。
▶︎ 南部鉄器を使えば、日常の中で自然に鉄分を補える“続けやすい健康習慣”が実現します。
◎ 伝統工芸がオフィスの健康づくりに貢献
▶︎ 南部鉄器は「健康を支える道具」として再評価が進んでいます。
▶︎ 給湯室の鉄瓶や社員食堂の鉄鍋など、職場の小さな工夫が社員の健康を守ります。
◎ 企業に広がるプラス効果
▶︎ 社員の体調改善は、生産性アップ・ミスの減少・離職防止に直結。
▶︎ 鉄分ケアをきっかけに、健康経営の文化が社内に根づきます。
◎ 実践企業に学ぶヒント
▶︎ ロート製薬:女性社員の“鉄分不足”に着目し体質改善プログラムを実施。
▶︎ 及源鋳造:伝統工芸を“健康生活の道具”へと進化させ新しい価値を創出。
▶︎ どちらも、「社員の健康=企業の力」を体現する好例です。
◎ 今日からできる小さな一歩
▶︎ 朝の白湯を鉄瓶で淹れてみる。
▶︎ 社員食堂で“鉄鍋味噌汁”を取り入れてみる。
▶︎ 給湯室に“健康を話すきっかけ”を置いてみる。
ほんの少しの工夫が、社員の元気と会社の笑顔をつくります。