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結果が怖くてつい後回し。
再検査は「早く安心するための確認」です。
社員にも会社にも損失を出さないために受けやすさの設計から始めましょう。

Sailing Dayの羊一です!この記事では、健診のメリットや『選ぶだけ予約』『3回のお知らせが基本』など受診率UPに繋がる方法をご紹介します。
1. 健康診断のメリットと効果

早期発見で重い病気を防ぐ
体の変化に早く気づけると治療が短く仕事への影響も小さくできます。結果として長期の離脱や突発的な休職のリスクが減少します。
不調は早めにケア
目の疲れ、貧血、血圧、血糖などの“ちょっとした不調”の手当てが早まり欠勤・早退・作業効率低下の予防に直結します。
社員を大切にする信頼
「会社が健康を守ってくれる」という安心感は採用・定着・エンゲージメントに良い影響。社外への発信もしやすくブランド力の向上にもつながります。
働きやすさの土台
診断結果を踏まえた業務配慮・配置配慮がしやすくなり事故・ヒヤリハットの予防にも効果的です。

健診のしくみを整えるとみんなが安心して働けて会社への信頼も上がります!
2. 受診率を止めている要因

予約が面倒/時間が合わない
「自分で病院を探して予約」がハードル。繁忙期と重なるとさらに進みません。

費用や扱いが分かりにくい
「誰がいくら負担? 当日は勤務扱い?」ルールが伝わっていないと“様子見”が増えます。
現場都合で行きづらい
現場離脱の時間がない。
社内の告知が一度きり
メール一通で埋もれ行動につながらない。
上司からの後押しが弱い
チームの空気が「今じゃなくていいよ」だと受診は優先されません。

人は面倒だと動きません。『 選ぶだけ、一枚で明快、三回伝える』行きやすい工夫と上長のひと言で受診はちゃんと前に進みます!
3. 受診率アップの方法

その方法とは…
(1)会社が段取り → “選ぶだけ”

◎会社で日程と場所をいくつか用意します。
◎社員はリンクを開いて希望日を選ぶだけ。紙でもOK(回収して総務が入力)。
◎迷う人には仮の予約を入れておき、あとで変更可にすると前に進みます。
「探さない・電話しない。選ぶだけで完了。」
(2)ルールは“1枚”で見える化

掲示や社内チャットに1枚でまとめて固定表示します。入れるのはこの5つだけ。
①【お金】:基本の検査は会社負担/追加は希望者のみ
②【扱い】:当日は勤務扱い、移動時間の目安
③【持ち物】:保険証・問診票 など
④【日程】:申込の締切/受診できる期間
⑤【もし再検査なら】:流れと連絡先(不安を減らす一文)
「迷いゼロの1枚表」を全員が見られる場所に。
(3)お知らせは“3回”が基本

【初回】:実施のお知らせ(期間・申込先)
【締切1週間前】:未申込に個別メッセージ+上長へ一覧共有
【前日】:受診者へ場所と持ち物だけのお知らせ
※ 社内チャットに固定+朝礼でも口頭で二重告知が効きます。
「1回だと埋もれる。3回で届く。」
(4)未受診は“その場で日程確定”

◎締切翌日、未受診リストを見ながら上長が1対1で声かけ。
◎その場で空き枠を見せて即決までサポート(空き枠表を手元に)。
「後で考える」を、その場で決めるに変える。
(5)行きやすい工夫を用意

◎複数の会場/早朝・終業後・土曜の枠を少しだけでも。
◎作業服のままでOKなど支度の手間を減らす一文を明記。
◎出張(巡回)健診の場合、会社に来てもらえる日を1日だけ用意できるとさらに楽。
「行きやすさ=参加しやすさ」。

95%は仕組み、最後の5%は上長の声掛け。 この順番を外さなければ受診はちゃんと進みます。
4. 企業事例

【四日市合成株式会社】
(三重県/化学製品製造/従業員数250名)
社内サイトと個別フォローで受診率100%」
毎年の巡回健診を自社主導で計画・周知し、未受診者を個別フォロー
(施策)
①社内ポータルで見える化
人事が巡回健診の日程表を作成し、社内電子掲示板で全社員に周知。
(いつ・どこで・誰が受けるかが一目で分かる状態に)
②未受診者は“個別で”追う
メール/電話/面談を組み合わせ、その人が受けられる具体的な枠まで詰める。
③毎年、同じ型で運用
「作る→見せる→個別で埋める」を年次のルーティンとして定着。
④健康施策の裾野を広げる
例:歯科検診費用の補助など、社員に分かりやすい支援を併走。
(成果)
◎定期健康診断 受診率100%
◎特定保健指導 実施率100%
◎取り組みが企業文化化し、採用広報の強みにも転化
(うまくいった理由)
◎“1枚で見える”:全員の予定が同じ場所に常に最新で。
◎“1対1で詰める”:未読・未申込で止めず具体的な日程まで並走。
◎“毎年の型にする”:担当が替わっても回るシンプル設計。
◎“健康の裾野”:健診以外の支援(歯科など)が会社の本気度として伝わる。

四日市合成は、社内ポータルでの見える化と未受診者への個別フォローを“毎年の型”として回し受診率100%を継続しています。ポイントは全体告知で終わらせず空き枠を見せながら1対1で日程まで決め切ること。さらに歯科検診費用の補助などわかりやすい支援を広げることで取り組み自体が企業文化となり、採用の魅力にもつながっています。
【ユーシン建設株式会社】
(富山県/建設業/従業員数12名)
「おやつタイム×環境整備で楽しく健康意識アップ」
会議後の「おやつタイム」でのミニ健康勉強会+社内の自販機を健康寄りに入れ替え
(施策)
①「おやつタイム」でミニ健康勉強会
全社員会議のあと5〜10分で塩分の摂りすぎなど身近なテーマを扱う。
ドーナツのカロリー当てゲームなど参加型・体験型で楽しく学ぶ。
②環境整備(選びやすさの設計)
社内の自販機を糖分ゼロ・低脂肪中心に業者と調整。
“健康を選びやすい”ラインナップへ。
(成果)
◎「会社は本気で健康を大切にしている」というメッセージが浸透
◎健康施策への自発的な参加姿勢が醸成
◎健診の必要性が日常の会話に上がるようになり、受診率向上の下地が強化
(うまくいった理由)
楽しい×短時間:会議後の“ついで時間”で負担なく参加
体験で腹落ち:クイズや当てゲームで自分ごと化
環境で後押し:健康寄りの自販機で行動のハードルを下げる
継続しやすい型:数分の小ネタを定期的に続けられる設計

ユーシン建設は、全社員会議後の「おやつタイム」ミニ勉強会と自販機の健康寄りラインナップという“楽しく学べて選びやすい”施策で社員の健康意識を自然に引き上げました。クイズや当てゲームで自分ごと化し日常会話に健診の話題が上がるように。結果として健康診断の受診率向上の下地づくりに成功しています。
5. まとめ

健康診断の“プラス”
早期発見で重症化・離脱を抑える/不調ケアで欠勤・集中低下を防ぐ/信頼・採用力が上がる/安全基盤が整う。
受診が進まない理由
予約が面倒・時期不一致/ルール不明/現場都合/告知一度きり/上長の後押し弱い。
対策
①枠は会社→選ぶだけ
②“1枚”で見える化(費用・扱い・持ち物・日程・再検査)
③お知らせ3回(初回/締切前個別/前日)
④未受診=その場で確定
⑤行きやすい枠(複数会場・早朝/終業後・土曜・作業服OK・巡回)
事例
四日市合成:見える化+個別フォロー→受診率100%。
ユーシン建設:おやつ勉強会+自販機見直し→意識定着。
受けやすさを設計し繰り返し伝えるこれで数字は動きます。

