近年、健康経営優良法人の認定を目指す企業は増えています。
その中で、水素水などの給水環境の整備は、水分摂取の促進といった健康施策として位置づけることで、評価対象になり得る取り組みの一つです。
しかし、ここでよくあるのが「とりあえず導入したが活用されない」「健康施策として機能していない」というケースです。この状態では、認定評価につながらないどころか、単なるコストで終わってしまいます。

Sailing Dayの羊一です。
前回は水素水と抗酸化の基礎を整理しました。本記事では、健康経営優良法人の認定も見据えたうえで「失敗しない水素水の選び方」を経営判断の視点で整理します。
水素水と抗酸化の基礎的な考え方については、前回の記事で整理しています。


水素水の比較で重要なのは、スペックの違いではなく「どのように使うか」を前提に判断することです。
まずは、導入で失敗しないために押さえておきたい基本的な比較ポイントから見ていきましょう!
1. 水素水を比較する前に確認すべき技術基準
水素水とは、水の中に水素(H₂)が溶け込んでいる水のことを指します。
近年では、健康意識の高まりとともに、日常的な水分補給の一環として企業の福利厚生や健康施策に取り入れられるケースも増えています。
ただし重要なのは、水素水そのものの効果ではなく「どのように利用されるか」という点です。法人導入では、継続的に利用される仕組みを前提に考える必要があります。
そのため、製品を比較する際には、見た目や価格だけでなく「水素がどれくらい含まれているか」「どのように生成されるか」「どれだけ維持されるか」といった技術的な違いを正しく理解することが重要です。

そこで押さえておきたいのが、次の3つです!
(1)溶存水素濃度(ppm)
水の中に「どれくらい水素が溶け込んでいるか」を示す数値です。
1ppm = 水1リットルの中に約1mgの水素が含まれている状態
イメージとしては「炭酸の強さ」に近い考え方です。数値が高いほど、水の中に含まれる水素の量が多くなります。
数値が高いほど、水素の量が多い一方で、「高い=良い」とは限らない点にも注意が必要です。
重要なのは「数値」ではなく「その状態が維持されるか」という視点です。
(2)生成方式
水素水は「どのように水素を水に溶け込ませるか」によって性質が変わります。主な方式は「電解式」と「外部充填式」です。
電解式は機器の中で水素を生成するため、必要なタイミングで水素水を作ることができます。一方で外部充填式は、あらかじめ水素を充填した水を使用するため、開封後は時間とともに水素が抜けやすい特徴があります。
重要なのは「どの方式が優れているか」ではなく、「どれだけ水素が残る状態で使えるか」という視点です。
| 比較項目 | 電解式 | 外部充填式 |
|---|---|---|
| 水素の生成方法 | 機器内でその場で生成 | あらかじめ充填し密封 |
| 濃度の特徴 | 生成直後が最も高濃度 | 製造時の濃度に依存 |
| 時間経過後 | 作り直せば高濃度を維持しやすい | 開封後は徐々に抜けやすい |
| 法人導入の視点 | 継続利用を設計しやすい | 在庫管理が必要 |
水素水は「どのように水素を入れるか」によって性質が変わります。
代表的なのが「電解式」と「あらかじめ充填する外部充填式」です。方式の違いは、濃度の安定性や維持時間に直結します。
(3)濃度維持時間
水素は非常に抜けやすい気体であり時間とともに水から逃げてしまう性質があります。
イメージとしては「炭酸飲料」に近くペットボトルを開けた瞬間から徐々に炭酸が抜けていくのと同じです。水素も同様に時間の経過とともに濃度が低下していきます。
そのため水素水を比較する際に重要なのは「どれだけ入っているか」ではなく「どれだけ維持されるか」という視点です。
生成直後の数値だけでなく一定時間後も濃度が保たれているかを確認することが重要です。

お風呂のお湯と同じで「入れた量」よりも“どれだけ冷めずに保てるか”が重要です!
2. 水素水の主要製品をタイプ別に比較
法人で水素水を導入する場合、個人利用とは前提が異なります。
いきなりメーカー比較をするのではなく「どのような形で導入するか」を先に決めるほうが分かりやすくなります。設置型にするのか、配布型にするのか。この違いだけでも、選ぶ製品は大きく変わります。

ここではサーバー型(据置型)、コンパクト設置型、ボトル・パウチ型の3つに分けて比較します。
(1)サーバー型水素水(法人向け)の特徴とメリット・デメリット

温泉施設やジム、病院など、多くの利用者がいる環境で安定供給を目的に導入されるタイプです!
- ◎ 日常的に利用しやすい
- ◎ 健康施策として“見える化”できる
- ◎ 継続利用につながりやすい
- ✔ 設置スペースが必要
- ✔ 初期費用が比較的高め
- ✔ 導入前に動線設計が必要
健康経営施策として継続性を設計しやすい点も特徴です。
(2)コンパクト型水素生成器の特徴と企業導入時のポイント

小型で設置しやすく、少人数オフィスにも導入しやすいタイプです!
(3)ボトル・パウチ型水素水のメリット・デメリットと注意点

あらかじめ水素を充填した製品を購入し、社員が自由に利用できるように用意する形式です。楽天市場などでも多く取り扱われています。
(4)水素水メーカーの信頼性を比較するポイント
法人導入を検討する際、見落とされがちなのが「提供企業そのものの信頼性」です。
例えば、法人向け電解水素水整水器を長年展開している企業の一つに、株式会社日本トリムがあります。同社は、医療分野との研究連携や医療機器承認製品の展開など、一定の実績を持つ企業です。

まずは信頼できる企業かどうかを見極めたうえで、自社の目的に合っているかを判断することが重要です!
【水素水導入タイプ比較表】
| タイプ | 向いている企業 | 注意ポイント |
|---|---|---|
| サーバー型(据置型) |
|
|
| コンパクト設置型 |
|
|
| ボトル・パウチ型 |
|
|
3. 水素水比較と健康経営優良法人の関係
水素水は、濃度や生成方式といったスペックで比較されがちです。
しかし、健康経営優良法人の認定で評価されるのは、特定の商品そのものではありません。企業の健康課題に対して施策を設計し、継続的に実行・検証しているかどうかが重要です。
実際、公式の認定要件にも「水素水」という独立した項目はなく、食生活改善や運動機会の増進、感染症予防、メンタルヘルス対策などの取り組みが評価対象として示されています。
健康経営優良法人制度の全体像については、ACTION!健康経営(公式サイト)をご参照ください。
(参考:健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)認定要件)
(1)水素水導入は評価対象になるのか
結論から言うと、水素水を導入しただけで評価されるわけではありません。また、水素水そのものが認定要件として明記されているわけでもありません。 位置づけるとすれば、会社の健康課題に応じて、既存の評価項目にひもづく補助施策の一つとして整理するのが正確です。

重要なのは、水素水そのものではなく、それがどの健康課題の解決にどう役立つ施策なのかを説明できることです!
たとえば、水素水や給水設備の導入が比較的つながりやすいのは次のようなケースです。
・食生活改善の一環として水や無糖飲料を選びやすくする
・健康教育の一環として水分補給や飲み物の選び方を周知する
・暑熱環境対策の一環として給水環境を整える
複数の開示事例において、水分補給の促進や給水環境の整備、飲料補助などが、それぞれ健康施策として実施されています。
(参考:ACTION! 健康経営の取り組み事例一覧(公式))
一方で、オフィスに水素水サーバーを置いただけでは「食生活改善」や「教育機会の設定」などの評価項目を満たしたとは言いにくいです。申請上は、実施した取り組みが法人単位で行われ、申請日までに実施済みで、会社として関与・周知していることが求められます。
(2)申請書ではどう書くべきか
申請書で書くべきなのは、水素水の性能や効能ではなく、どの健康課題に対して、どのような施策として実施したかです。
公式要件でも、健康課題に基づいた具体的な推進計画と、健康経営の効果検証が重視されています。
たとえば、書き方として安全なのは次のような方向です。
記載例①(食生活改善・水分補給習慣の文脈)
従業員の飲料選択改善と水分摂取習慣の定着を目的として、給水環境を整備した。あわせて、飲み物の選び方に関する周知を実施し、継続的な利用促進を行っている。
記載例②(健康保持・増進施策としての整理)
暑熱環境下で働く従業員の熱中症予防を目的として、給水環境の整備と水分補給の周知を実施した。あわせて、休憩・声かけ等の対策と組み合わせて運用している。

申請書では「水素水を置いた」と書くより「どんな健康課題に対して、どう運用したか」を書く方が正確です!
(3)導入前に確認したいポイント
水素水を健康施策として導入する前に、次の点を整理しておくことが重要です。
☑️自社の健康課題は明確になっているか
☑️その課題に対して、給水環境の整備が有効な施策になっているか
☑️周知や利用促進、効果確認まで含めて継続運用できるか
☑️法人単位の取り組みとして説明できる状態になっているか

健康経営優良法人の認定で重要なのは、設備の有無や珍しさではありません。自社の健康課題に対して、無理なく継続できる施策として設計されているかどうかが評価のポイントです。
これらを満たしたうえで導入を検討することが、評価につながる施策設計の第一歩です!!
4. まとめ
◎ 水素水は「給水環境整備」として健康施策に活用できる
▶︎水分摂取の促進など、健康経営の一環として位置づけられます。
◎ 導入だけでなく「利用される仕組み」が重要
▶︎使われなければ施策として機能せず、コストで終わる可能性があります。
◎ 比較の軸は「濃度」より「維持と使いやすさ」
▶︎水素は抜けやすいため、どれだけ残るかと継続利用がポイントです。
◎ 導入タイプで効果と運用負担が大きく変わる
▶︎サーバー型・コンパクト型・ボトル型で適した企業が異なります。
◎ 健康経営では「導入」より「運用・継続」が評価される
▶︎課題に紐づけて、周知・利用促進まで設計することが重要です。
健康経営とは?3分でわかる意味・効果・始め方 
この記事の監修 長谷 有希央
◎安眠インストラクター
◎睡眠&寝具インストラクター
◎健康経営アドバイザー
◎中小企業診断士 の資格を持つ「眠りと健康経営の専門家」です。
◎補助金・助成金申請のお手伝いもしています。


