【健康経営】器を変えるだけで健康経営が進む?すぐできる“食卓改革”

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突然ですが、あなたは「同じ料理でも器が違うと味が変わる」と感じたことありませんか?

じつはこの“感じ方の変化”、科学的にも説明できるんです。

羊一さん
羊一さん

Sailing Dayの羊一です。今回のテーマは“器のちから”です。お皿やカップを少し工夫するだけで職場の健康経営を前に進めることができる、そのヒントを一緒に見ていきましょう!

1. 陶器・磁器・ガラス・素材の違いで“味覚”が変わる?

器の素材には、見た目以上に深い意味があります。日常的に使っている「陶器」や「磁器」、そして「ガラス」。
それぞれが味覚や満足感に影響を与えることが分かっています。

素材 特徴 食体験の印象
🟤 陶器 多孔質であたたかみがあり、手になじみやすく保温性も高い。 やさしく落ち着いた味わい。リラックス・安心感を生む。
⚪ 磁器 高温で焼かれ表面がなめらか。光沢と硬さがあり衛生的。 シャープで上品な印象。味が“クリア”に感じられる。
🔵 ガラス 透明で軽やか。冷たい料理や飲み物に最適。 見た目が涼やかで、さっぱり・爽快感が強い。

たとえば、同じスープでも陶器のカップでは“まろやかで落ち着く”味に、磁器のカップでは“香りが立ちキリッとした”味に感じる。

さらに、夏場にガラスの器で食べるサラダは冷たさを視覚でも味わえるほど爽やかに。

羊一さん
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これは、素材が持つ「触感」「熱の伝わり方」「光の反射」などが五感を刺激しているから。
人は知らず知らずのうちに器から味を感じ取っているのです。

また、企業の中には社員食堂の「器リニューアル」で満足度が向上した例も。
磁器の白皿に統一したところ、「社食が明るくなった」「料理が映える」といった声が多く寄せられたそうです。
器の素材を変えるだけでも、社員の気分や印象がプラスに変わる、それは立派な健康経営の一歩です。

羊一さん
羊一さん

次に、もうひとつの要素「色の魔法」についてご紹介します。どんな色の器が食欲や満足感を左右するのか?
“色と健康の関係”を見ていきましょう。

2. 色の魔法で“食欲”も“美味しさ”も変わる

料理を「おいしそう」と感じるとき、
実は味覚よりも先に働くのが「視覚=“色の印象”」です。

心理学の研究では、同じ料理でも皿の色を変えるだけで「塩味が強く感じる」「甘みがまろやかになる」といった変化が起こることが分かっています。

羊一さん
羊一さん

つまり、器の色は“脳の味覚スイッチ”
たった一枚の皿の色で、食欲や満足感まで変わるんです。味覚は舌だけでなく目でも感じているということなんですね。

白い器は“スタンダード”の王様

どんな料理もきれいに見せる万能選手。
社食でも白い器を採用している企業は多く、清潔感と安心感を演出できます。
とくに彩り豊かな副菜やサラダが映えるので、栄養バランスを「見える化」する効果もあります。

羊一さん
羊一さん

白い器はやっぱり安心感がありますね。料理が映えて、“ちゃんと食べてる”感が出る、
シンプルだけど健康経営の基本はこういうところからです。

赤・オレンジ系は“元気カラー”

食欲を高める効果があり、にぎやかな印象を与えます。社員食堂で丼ものやカレー皿に取り入れると、食卓全体が明るく。
「午後からもうひと頑張り!」という活力を生む色です。

羊一さん
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赤やオレンジの器って、食卓に“ぬくもり”をくれますよね。自然と会話も弾んで午後も前向きに過ごせる色です。

青系は“落ち着きと節制”の色

反対に、青や水色は食欲を落ち着かせる作用があります。夜食や軽食におすすめで、「食べすぎを防ぐ」企業の社内施策としても注目されています。
実際に、青いお皿を使うと無意識に食べる量が減るというデータもあるほどです。

羊一さん
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青い器って、見ているだけで気持ちがスッと落ち着きますね。“つい食べすぎ”をやさしくブレーキしてくれる色です。

黒や濃色は“高級感と満足感”

料理を引き締め、少量でも「しっかり食べた」感覚を生みます。健康志向の小盛りメニューを“貧相に見せない”というメリットも。
盛り付けを少し立体的にすると、より効果的に見た目の満足感を高められます。

羊一さん
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黒い器は“締め色”。
少量でも満足感が出て、“丁寧に食べてる感”が演出できますね。

このように、器の色を意識するだけで、「食べすぎない」「バランスよく食べる」「満足感を得る」といった行動変化が自然に起きます。
特別な教育やルールを設けなくても、色が社員の健康行動を“さりげなく”サポートしてくれるのです。

羊一さん
羊一さん

次の章では、“手ざわり・重さ・形”と味覚の関係に注目していきます。
実はこの“触感”も、食事の満足度に大きく関係しているんです。
私と一緒に、“持つ感覚”からの健康経営を探っていきましょう!

3. 手ざわり・重さ・形・“感触”が味を作る

私たちは食べるとき、舌だけでなく手と口の感覚でも「おいしさ」を感じています。
つまり、器やカトラリーの“触感”が食事の満足度を左右しているのです。

(1) “重み”が生む安心と満足感

心理学の研究では、「重いスプーンで食べると料理がより濃厚に感じる」という結果があります。

それが手に伝わると、脳は「ちゃんとした食事をしている」と感じ、満足感が高まるのです。


反対に、軽いプラスチックの器だと“軽食”のように感じやすく、食事への集中力が下がる傾向があります。

羊一さん
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重さって不思議ですよね。手にずっしりくるカップだと、“ちょっと一息”が本当に落ち着く時間になります!

(2) “手ざわり”がリラックスを呼ぶ

陶器のざらりとした質感、木の器のぬくもり、磁器のつるんとした肌。
それぞれに違う触感があり、そのわずかな違いが食事の印象を変えます。

特に陶器や木製の器は、手に温度が伝わりやすく、“あたたかみ”を感じやすい素材。

脳がリラックスモードに切り替わり、副交感神経が優位になってストレスが軽減するという研究報告もあります。
つまり、素材選び一つが「食べながら癒やされる時間」をつくるわけです。

羊一さん
羊一さん

健康経営って、“リラックスの時間”を増やすことでもあるんです。陶器のマグで飲むコーヒー休憩、実は立派な健康経営かもしれませんね!

(3)“形”が変える、味と量の感じ方

器の形も、味覚に深く関係しています。

浅いお皿 → 全体が見えることで「量が多く」感じる

深いお皿 → 香りが立ちやすく、少量でも満足感がある

口が広がった器 → 香りがふわっと広がり、食欲を刺激

また、スプーンやフォークのサイズを少し小さくするだけでも、ひと口が小さくなり、よく噛んで食べる習慣が自然と身につく。早食いや食べすぎの防止にもつながります。

羊一さん
羊一さん

“ゆっくり味わう”を教えるより、“自然にゆっくり食べられる器”を選ぶ方がずっとスマートですよね!

このように、重さ・手ざわり・形のわずかな違いが、食事のスピード・満足感・ストレス緩和など、さまざまな行動変化を引き出します。
これはまさに、“感覚で進める健康経営”。制度よりも、毎日の五感が社員の健康をつくるのです。

羊一さん
羊一さん

次の章では、いよいよ実践編。
オフィスや社食で「すぐに取り入れられる“器改革”」を具体的に紹介します。

4. オフィスでもできる“器改革”のはじめ方

(1)まずはここから!オフィスでできる“器の見直し”4ステップ

ここまで見てきたように、器は「味覚」「心理」「行動」にまで影響を与える小さな装置。
でも実は、オフィスでもすぐに取り入れられる健康経営の仕掛けなんです。
特別な予算や大掛かりな制度をつくらなくても、器を少し工夫するだけで社員の食意識は確実に変わります。

ステップ①:毎日の“飲み物”からスタート
羊一さん
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いちばん手軽に始められるのが「マイカップ改革」
ペットボトルや紙コップを卒業して、お気に入りの陶器マグやガラスカップを使うだけでも仕事中のリラックス度がぐっと変わります。

温度がゆっくり伝わる陶器は、手のぬくもりで心も落ち着きやすく、一方でガラスカップは「すっきり・軽やか」で集中力アップにも効果的です。

さらに、季節ごとに素材や色を変える工夫を取り入れると日々の小さなリセット習慣にもつながります。

🌸 春:白いマグ → 新しい始まりを感じさせる清潔感

☀️ 夏:ガラスカップ → 涼しげで爽快、気分をリフレッシュ

🍁 秋:ブラウン陶器 → 落ち着きと安心感をプラス

❄️ 冬:黒磁器 → 静けさと集中をもたらす深みのある色

ステップ②:社食やランチ会に“器テーマ”を
羊一さん
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次におすすめなのが、社食やランチの場に“器のテーマ”を取り入れること
同じ料理でも、器を変えるだけで雰囲気や満足度が大きく変わります。「食堂がちょっと明るくなった」「おいしそうに見える」といった声が増えれば自然と食事の時間がポジティブなものになります。

【取り入れやすい工夫の例】

🍛 メニュー別に器を使い分ける

スープ・煮込み料理 → 陶器ボウルでぬくもりを演出

サラダ・冷菜 → ガラス皿で清涼感アップ

丼もの・パスタ → 白磁器で食材の彩りを引き立てる

🌈 月替わりで“器フェア”を実施

「春色ランチ」「涼感メニュー」など、季節テーマで楽しむ

🗳️ 社内アンケートや“うつわ投票”を実施

「お気に入りの器」や「食べてみたい盛り付け」を社員が選ぶ

意見を取り入れることで“自分ごと化”が進む、こうした小さな変化が社員同士の会話を増やし職場に“食を通じたコミュニケーションの輪”を生み出します。

ステップ③:オフィスで“見える化”をプラス
羊一さん
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健康的な行動を自然に促すには、**「見える工夫」=“環境デザイン”**が効果的です。
器をはじめ、ちょっとした配置や見た目の工夫で社員が無意識のうちに健康的な選択をしやすくなります。

【すぐに始められる“見える化”の工夫

🥜 お菓子コーナーにメリハリを

透明容器 → ナッツやドライフルーツ

不透明容器 → チョコやスナック
→ 「見えるものほど選ばれやすい」心理を活用。

🧃 自販機や冷蔵庫の並び順を工夫

上段にお茶・水、下段にジュース類
→ 視線の高さに健康的な選択肢を。

🏷️ 給湯室や食堂に“季節の器展示コーナー”

社員が選んだお気に入りのマグやお皿を展示。

「季節」「推しの器」などテーマを変えて楽しめる。

ステップ④:社員を巻き込んで“自分ごと化”する
羊一さん
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健康経営を長く続けるコツは、社員が“自分のこと”として関わること。
器の導入や選定をトップダウンで決めるより、「どんな器が好き?」「どの色が落ち着く?」と社員の声を取り入れることが、
自然な参加意識を生み出します。

【社員を巻き込む工夫のアイデア

💬 “うつわアンケート”を実施

社員に好きな器の色・素材・形を選んでもらう。

結果を社食や給湯室に掲示して“みんなで決めた感”を共有。

🏆 “Myうつわコンテスト”を開催

お気に入りのマグカップやお弁当箱を紹介し合う。

投票形式で“ベストうつわ賞”を決定。

📷 社内SNSで“今日のうつわ”投稿

写真を投稿し合いながら、季節や気分をシェア。

雑談のきっかけや部署を越えたコミュニケーション促進にも。

こうした“小さな参加の場”が、社員の主体性を育て、「自分たちの健康経営をつくっている」という実感につながります。

羊一さん
羊一さん

このように、“器改革”は会社の大小を問わず取り入れられる実践的なアプローチです。
マグカップひとつ、ランチプレートひとつでも、「健康を大事にする会社」という姿勢を見える形で社員に伝えることができます。

(2)企業事例

株式会社タニタ

(東京都/健康計測機器メーカー/社員約1,000人)

 

健康経営の先駆けとして知られるタニタは、「測る」から「つくる」へと発想を転換し、社員一人ひとりの生活習慣改善を支援する多面的な健康施策を展開しています。
“タニタ食堂”をはじめとした食環境づくりや健康プログラムは、国内企業のモデルケースとなっています。

 

【施策】

① 小ぶり茶碗×計量デザイン
ご飯茶碗の内側に目安線(100g/150g)を入れ、無理なく“適量”を意識できる設計。
社員はあえて小さな茶碗を選び、山盛りにすることで視覚的な満足感を得ています。

 

② はかり&タイマーで“見える化”
社員食堂や一般向け店舗では、テーブルにデジタル計量器とタイマーを設置。
食事量と食事時間を“数値化”することで、ゆっくり・適量を自然に習慣化。

 

③ 一汁三菜×彩りの工夫
小鉢を多用し、150〜250gの野菜を彩りよく盛り付け。
噛みごたえのある根菜や具だくさん味噌汁で500kcalでも満足できる構成を実現。

 

④ タニタカフェ・外部展開
“適量で満足”のノウハウを活かし、タニタカフェや冷凍健康食でも器・彩り・咀嚼感にこだわりを展開。

 

【成果】

社員の健康指標改善:体重・体脂肪率・血圧が改善。

満足度向上:少量でも“食べた感”があり、継続率が高い。

ブランド強化:「タニタ=健康」の認知が定着し、書籍・カフェ・コラボ事業へ発展。

(参考:厚生労働省『アフターサービス vol.16』タニタの事例より)

(参考:タニタカフェのコラボ・展開に関する紹介より)

羊一さん
羊一さん

タニタは“器+見える化+彩り”で健康をデザインした会社
小盛でも満足できる仕掛けは、社員の行動を変え、ブランドまで育てました。「ヘルシー=我慢」ではなく「ヘルシー=心地よい」を形にした好事例です。

エームサービス株式会社

(東京都/給食・フードサービス事業/社員約38,000人)

 

社員食堂の企画・運営を行うエームサービスは、企業の“食の空間づくり”を支援する中で、器選びや食堂デザインに利用者の視点を積極的に取り入れています。特に、女性社員比率が高いオフィスでは、「親しみ」「温かみ」「楽しさ」を感じられる器や内装を意識したリニューアルを実施。

 

【施策】
① 食器選定ワークショップの実施
リニューアル時に社員がサンプル食器を手に取り、素材感・色味・重さなどを体感しながら選定。器を“自分ごと化”する仕組みを導入。

 

② 木目×自然光×温色の空間デザイン
木の温もりや自然光を活かした空間に、陶器・ガラス・木製器を組み合わせて配置。視覚的なリラックス効果と心理的満足感を両立。

 

③ “楽しめる社食”づくり
メニューに合わせて器を変え「今週のうつわ」や「季節の色フェア」などを実施。社員の投票で人気の器を決める仕組みも採用。

 

【成果】
◎ 利用率が向上し、女性社員の満足度アップ
◎ 食堂が“交流の場”として再評価
◎ “食事を楽しむ職場文化”が社内に定着

(参考:エームサービス多くの人が集まる食堂を女性プロジェクトチームとともに実現。より)

羊一さん
羊一さん

エームサービスの事例は、“食べる空間も健康づくりの一部”を体現しています。
器を社員が選ぶって、まさに“共創型の健康経営”。ひとつの食器から職場の雰囲気まで変わるってすごいことですよね!

5. まとめ

羊一さん
羊一さん

健康経営の本質って制度より習慣、数字より体験だと思うんです。器を変えるだけで、社員が笑顔になり職場が明るくなる。
それって、どんな大きな制度よりも強い「日常の健康経営」じゃないでしょうか。

◎ “器のちから”を理解する

▶︎ 器は単なる「入れ物」ではなく、味覚・心理・行動に影響を与える“小さな健康装置”
▶︎ 素材・色・形・重さによって、食欲・満足感・ストレスまで変わる

 

◎ “五感”を活かす健康経営の発想

▶︎ 「制度で縛る」より「環境で変える」アプローチが有効
▶︎ 器・照明・彩りといった感覚的な要素が、自然な健康行動を促す

 

◎ 器を変えると起こる行動変化

▶︎ 小さい器で“適量でも満足”、深皿で“ゆっくり食べる”
▶︎ 色や素材の違いが「落ち着き」「元気」「集中力」を引き出す
▶︎ 見た目の満足感が“食べすぎ防止”や“ストレス軽減”につながる

 

◎ 職場に広がる効果

▶︎ 社員の健康意識・満足度の向上
▶︎ 食堂や休憩スペースの雰囲気改善
▶︎ 会話・交流が増え、コミュニケーション活性化にも寄与

 

◎ 今日からできる“小さな器改革”

▶︎ 陶器マグ・季節色カップで「リラックス習慣」をつくる
▶︎ 社食に“器フェア”や“うつわ投票”を導入
▶︎ 器や配置の“見える化”で自然と健康的な選択を促す

 

◎ 実際の成功事例に学ぶ

▶︎ タニタ:小ぶり茶碗と“見える化”で適量満足・健康行動を定着化
▶︎ エームサービス:社員が選ぶ“うつわリニューアル”で社食を交流の場に進化