「体調も悪くないし、がん検診はまだいいや。」
そう思っていませんか?
実は、日本人の2人に1人は一生のうちにがんにかかると言われています。
「まだ大丈夫」と思って受けていないことが、命を縮めてしまうリスクになるのです。
だからこそ、がん検診は“受けるか・受けないか”で未来を左右する大切な検査なのです。

こんにちは、Sailing Dayの羊一です。
今日はがん検診のメリットについてお伝えします。
1. がんとは
まず初めにがんについて解説します。
がんとは、体の中の細胞が異常に増え続けてしまう病気です。
本来、私たちの体の細胞は古くなったり傷ついたりすると、新しい細胞と入れ替わる仕組みになっています。
しかし何らかの原因でこの仕組みが壊れると、細胞が勝手にどんどん増えていき、かたまりをつくります。これが「がん」です。
がんの特徴
勝手に増える:普通の細胞は必要に応じて増えますが、がん細胞はブレーキが効かずに増え続ける
周りに広がる:大きくなると周りの臓器や組織を壊しながら広がる
血液やリンパに乗って転移する:他の場所に飛んで、新しい「がんの巣」をつくってしまうことがある
なぜがんは怖い病気なのか?
がんが怖いと言われる一番の理由は、初期の段階ではほとんど自覚症状がないことです。体調に変化を感じるころには、すでに病気が進行しているケースが多く見られます。
さらに、がんは進行すると周りの臓器を壊しながら広がったり、血液やリンパを通じて全身に転移したりする性質を持っています。このため、発見が遅れると治療が難しくなり、体への負担も大きくなってしまいます。
もうひとつの理由は、患者数の多さです。日本では「2人に1人が一生のうちにがんになる」と言われるほど、誰にとっても身近な病気です。「自分は大丈夫」と思っていても、誰にでも起こりうる可能性があるのです。
(1)がん検診を受ける4つのメリット
がんが怖いのは「気づきにくく、進行が早く、誰にでも起こり得る」病気だからです。だからこそ、定期的ながん検診で早期発見することが何よりも大切なのです。
1.早期発見・早期治療
がんは初期の段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。定期的に検診を受けることで、治療が比較的容易な段階で発見できる可能性が高まるため、治療成績が向上します。
2.健康寿命の延伸
早期に発見・治療することで、重症化を防ぎ、生活の質を保つことができます。
治療にかかる身体的・精神的な負担も軽減され、仕事や家庭生活への影響を最小限に抑えられる点も大きなメリットです。
3.経済的なメリット
進行がんになると、治療費や入院期間が大きく増える可能性があります。
早期に発見して短期間で治療できれば、本人や家族の負担はもちろん、企業側の医療費や休職リスクも抑えられることにつながります。
4.自分と家族の安心
検診を受けることで「大きな病気はなかった」という安心感を得られることも大切です。
また、早期発見できれば家族への負担も少なくなり、本人だけでなく家族の安心感にもつながります。
(2)企業も注目!任意がん検診の受診勧奨
社員が安心して働ける環境を整えることは、従業員満足度や企業イメージの向上に直結します。
「がん検診を推奨する会社」という姿勢は、健康経営優良法人の評価ポイントにもなり、採用や定着率の強化にもつながります。
最近では、がん検診費用を補助する企業も増えています。
特に健康経営優良法人を目指す会社では、従業員の受診率向上も評価対象になるため、費用補助や特別休暇の導入は効果的な取り組みです。
まずは自治体のがん検診案内を社内で配布するなどできるところから始めてみましょう。
▼A4で印刷できます。POPの掲示もおすすめです。

2. 自治体のがん検診
自治体のがん検診は「胃・子宮頸・乳・肺・大腸」の5つが基本となっています。
会社の健康診断だと特に補助がなく費用が高いという場合、自治体のがん検診も利用してみましょう。自治体によって差はありますが、少ない自己負担金でがん検診を受けることができます。
(1)あなたに必要ながん検診は?年齢別チェックリスト
がんの種類 | 推奨年齢・対象 | 受診間隔 | 主な検査内容 |
子宮頸がん | 20歳以上の女性 | 2年に1回 | 問診、視診、子宮頸部の細胞診、内診(自治体によっては30歳以上からHPV検査) |
乳がん | 40歳以上の女性 | 2年に1回 | 問診、マンモグラフィ(乳房のX線検査) |
肺がん | 40歳以上の男女 | 年1回 | 問診、胸部X線撮影(喫煙指数600以上の50歳以上は喀痰細胞診も) |
大腸がん | 40歳以上の男女 | 年1回 | 問診、便潜血検査 |
胃がん | 50歳以上の男女 | 2年に1回 | 問診、胃部X線検査(バリウム)、または胃内視鏡検査 |
(参考:日本の健診(検診)制度の概要 より)
「受けてみようかな」と思ったときが、一番のチャンスです。
まずはお住まいの自治体のホームページを確認しましょう。自治体ごとに実施しているがん検診の種類や費用、予約方法が掲載されています。
(2)検診体験談「検診を受けて良かった話」
がんは「自分には関係ない」と思う方も多いのではないでしょうか?
ですが、実際に検診を受けたことで命や生活を守れた人はたくさんいます。
「受けて良かった」という体験をご紹介します。
『検診を「受けて良かった」話』
4年前、秋田市からもらったクーポン券を使い、何の気なしに子宮頚がん検診を受けました。
その結果、再検査が必要とのことで引っかかり、再度検査をしたところ、異形成とのことでした。
その後も3カ月に1回のペースで検査を受け、3回目の検査の結果、円錐切除をすすめられ手術しました。
切り取った部分にがん細胞ができあがっており、0期の上皮内がんとの診断でした。
幸い浸潤はしておらず、切り取った部分の中でがんが留まっていました。
検診を受けずに過ごしていたらと思うとゾッとします。
子宮を残すこともでき、この1月に無事第一子を出産することができました。(30歳代女性)
14年前の話だが、職場の健康診断で再検査になったのに、精密検査を受けに行かなかった。
そして、次の年も再検査になったが、行く気にならず、放置しようとしていたところ、会社で勝手に病院を予約してくれていた。
その際に、大腸がんが見つかり、内視鏡で治療した。
しかし、その後にリンパ節への転移の可能性があることが発覚し、開腹手術となってしまった。
最初に再検査になったときに行っていれば、もっと初期のがんで見つかり、開腹手術をしなくても済んだのではないかと強く感じた。
検診の必要性、精密検査の重要性をみなさんに伝えたい。(60歳代男性)
今年の職場検診で便潜血検査が陽性となり、病院で精密検査を受けました。
直腸がんが見つかり、開腹手術ではなく、腹腔鏡下手術で肛門から8センチのところから直腸を20センチほど摘出しました。
直腸から25センチ以下であれば、人工肛門になっていたとのことです。
ほんとうに検診を受けて良かった。
入院時、隣のベッドの方は要精検であったのを数年放っておいたため、がんが進行し、結果、人工肛門の手術となってショックを受けていました。
毎年の検診を勧めたいし、時には大腸カメラを勧めたいと思います。(60代女性)
(参考:秋田市 検診体験談「検診を受けて良かった話」 より)
このようにがん検診を受けたから今元気に過ごしている方もたくさんいます。あの時受けていればよかったと後悔しないよう、がん検診を受け、元気な生活を送りましょう。
3. まとめ
◎ 日本人の2人に1人は一生のうちにがんにかかる
◎ がんは初期症状がほとんどなく、気づいた時には進行していることも多い
◎ がん検診を受けるメリット
▶︎ 早期発見・早期治療につながる
▶︎ 健康寿命を延ばせる
▶︎ 治療費・休職リスクなど経済的負担を減らせる
▶︎ 自分と家族の安心につながる
◎ 企業にとっても、受診勧奨や費用補助は健康経営の評価ポイント
◎ 自治体のがん検診(胃・大腸・肺・乳・子宮頸)は低負担で受けられる
◎ 「まだ大丈夫」と思わず、今こそ一歩を