「仕事のことが頭から離れない」
「気付けばSNSを見ながらため息をついている」
そんな日が続くと、気持ちがどんよりしてしまいますよね。

私はそんなとき、無理に前向きになろうとするより、“手を動かす時間”をつくるようにしています。
普段から趣味で、ポーセラーツという磁器のハンドメイドを楽しんでいます。白い器に転写紙を貼り完成するまでの時間は、まるで心が静かに整っていくように感じます。
実はこの“手を動かすこと”こそ、ストレスをやわらげる効果があるのです。ハンドメイドをしているときは、リラックスをつかさどる「副交感神経」が高まり、心と体が休息モードに切り替わるといわれています。
(参考:若年健常女性の疲労や気分の自己評価尺度および唾液コルチゾール濃度に対する手工芸の影響)

こんにちは、Sailing Dayの羊一です。
今回は、ハンドメイドがどのようにストレスを和らげ、心を整えてくれるのかを一緒に見ていきましょう。
1. ハンドメイドは「思考のスイッチ」を切り替える時間

人はストレスを感じているとき、頭の中で同じ考えをぐるぐる回し続けがちです。これを反すう思考といい、心の疲れを増やす原因のひとつです。ですが、ハンドメイドのように手を動かす作業をすると、そのループから自然に抜け出しやすくなります。
(1)ハンドメイドが「考えすぎ」を止めてくれる4つの理由
①注意のスイッチが切り替わる
糸を通す/紙を折る/ビーズを並べる——
こうした“目の前の動作”は、注意のスポットライトを「頭の中の不安」から「手元の感覚」へと移します。これだけで思考の回転数が落ち、頭がいったんリセットされます!
②反復リズムが呼吸を整える
チクチク、コトコト、トントン…
一定の手のリズムに体が同調すると、呼吸が自然に深くゆっくりに。
呼吸が整うことで副交感神経の働きが高まり、体がリラックス状態に導かれます。
③小さな達成が不安を薄める
結べた、ひと列できた、色がそろった——
ミクロな達成が連続すると、脳は「うまくいっている」という手応えを受け取ります。先の見えない不安より、「いま進んでいる感覚」が前面に出て、気分が軽くなります。
④五感の安心サインが緊張をほどく
やわらかな布の手ざわり、糸のすべり、紙が折れる音、好きな色や香り。
触覚・視覚・聴覚の心地よい刺激は「安全だよ」という合図になり、自律神経のバランスを整え、副交感神経を高める効果があります。
ハンドメイドは、まさに考えるのをいったんやめるための“心のスイッチ”なのです。

「上手に作る」よりも「手元に意識を置く」ことが反すう思考をほどくコツです。
(2)すぐ試せる!反すう思考からの“ループ脱出法”
何もしていないと考え事をしてしまう。
そんな時におすすめなのが、考えすぎを手の動きでリセットすること。
① 手の準備
お気に入りのハンドメイド道具を3つだけ机に出します。(例:針と糸、フェルト、はさみ)
姿勢をゆるめて深呼吸。
② 感覚に寄せる
集中してハンドメイドを楽しみましょう。
例1:フェルトの小物づくり
フェルトのふわふわした感触、糸が通るときのすべり、針の先が布に触れる感覚を感じながら、同じ動作(針を刺す・引く)をゆっくり10回×3セットくり返します。
例2:ビーズアクセサリーづくり
ビーズを1粒ずつピンに通しながら、カチッと当たる音や指先に伝わる重みを感じます。“きれい”と思った瞬間に意識を向けてみましょう。
例3:折り紙やペーパークラフト
紙を折るときのパリッという音や、指の腹に感じる折り目の硬さに注目。
角を合わせて折る動作を30回ほどくり返します。
どの作業も、「上手にやる」ことよりも“感覚を味わう”ことが目的です。
③ 区切りの合図
できたところで手を止めて、心の中で「ここまででOK」とつぶやきましょう。
首と肩を軽く回して深呼吸。
ほんの少しの時間でも大丈夫です。

少しずつハンドメイドを取り入れることで余計なことを考えるのがやめられ、日々の生活を豊かにできます。
2. 体も心もラクに続ける「ゆるハンドメイド」
私は、つい集中しすぎて肩がこってしまうことがあります。
せっかくストレスをほぐす時間が、体の負担になってしまってはもったいないですよね。

作業そのものより、「整える時間」を大切にすると、
ハンドメイドが“疲れない趣味”になります。
(1)ゆるハンドメイドを「セルフケア時間」に変える
ハンドメイドを日常の癒しの習慣に変えるコツは、「環境」と「気持ちの整え方」にあります。
お気に入りの香りや音楽をプラスして、“五感がほっとする空間”をつくりましょう。
ちょっとした工夫で変わるポイント
◎ハーブティーを飲みながら作業する
◎アロマをたいて香りで気分をリセット
◎雨音やピアノの音など、静かなBGMを流す
価格:1800円 |
五感が心地よい状態になると、自然と呼吸が深くなり、副交感神経の活動が高まります。作ること自体が“癒しの瞑想”に変わります。
また、「完璧に仕上げる」より「今日はここまでにする」という軽やかさも大切。
続けるほどに、“上手になる喜び”よりも“自分をいたわる時間”へと変わっていきます。

ハンドメイドは、結果を残すための時間ではなく、“心と体をやさしくリセットするセルフケア”。
そんなふうにとらえるだけで、毎日の中に少しずつ「癒しの習慣」が根づいていきます。
(2)ハンドメイドは“整える時間”に変えよう
ハンドメイドは、頭を空っぽにして心を整えるための“メンテナンス時間”。
手を動かしているうちに、呼吸が深まり、気づけば心が落ち着いています。
ただし、夢中になりすぎて首や肩がこったり、目が疲れたりしたら要注意。
そんなときは、「途中でもいい」「明日に回そう」と自分に許すことが一番のケアです。
ちょっとした工夫で変わるポイント
◎ リラアクスした状態で「ゆったり座る」
◎ タイマーで30分おきに小休憩
◎ 作品づくりの前に首をゆっくり回す
私自身、疲れたときにポーセラーツで食器を作る時間が、心のリセットになっています。
集中しながらも、どこか緩やかな気持ちで手を動かしていると、「また明日もがんばろう」と自然に思えます。
忙しい毎日こそ、“手を動かすこと=自分を取り戻すこと”。
それが少しの時間でも、自分の心をやさしく整えるきっかけになります。
3. まとめ
◎ ハンドメイドは「考えすぎ」を止める“心のスイッチ”
◎ 手を動かすと、頭の中のモヤモヤがほどける
◎ 糸や布の感触・リズムが呼吸を整え、心が落ち着く
◎ 小さな達成感が「できた!」の自信につながる
◎ 五感を使うことで、緊張がほぐれリラックスできる
◎ 長時間はNG!“ゆったり姿勢&小休憩”で体を守る
◎ 香り・音楽・お茶などで“癒しの空間”をつくる
◎ 完成より「楽しむこと」を目的にすると続けやすい
◎ 忙しい日こそ、3分でも“手を動かす時間”を
ハンドメイドでストレスをリセットさせましょう!

この記事の監修 長谷 有希央
◎安眠インストラクター
◎睡眠&寝具インストラクター
◎健康経営アドバイザー
◎中小企業診断士 の資格を持つ「眠りと健康経営の専門家」です。