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夜の無呼吸、気づいていますか?
知らないうちに睡眠時無呼吸症候群(SAS)になっている可能性があります。
お笑いコンビ「サバンナ」の高橋茂雄さんは、テレビ番組で、自分が寝ているところの映像を見るという企画があり、ご自身が「すごくいびきをかいている」「時折、呼吸が止まっている様子が見受けられた」ことがきっかけとなって、SASを患っていることを知ったそうです。

こんにちは、Sailing Dayの羊一です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、生命の危険を招くこともある大変危険な疾患です。
放置すると健康に大きな影響を与えるこの症状について、詳しく解説していきます。
セルフチェックもあるので、ご自身は平気か確認もしてみましょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、
※Sleep Apnea Syndrome
「睡眠中10秒以上の呼吸停止や呼吸の低下を30回以上」または「呼吸停止や呼吸の低下を1時間あたり平均5回以上繰り返す状態」
のことを言います。
そして、「日中に眠くて仕方ない」や「起床時の頭痛」「熟眠感が得られない」などの自覚症状を伴います。
現在、日中の眠気が原因で重大な交通事故や労災事故の発生が社会問題になっています。
SASは、生活習慣病と密接に関係しています。
放置すると高血圧、循環器系疾患、脳卒中などの合併症の発生が高まり、生命の危険を招くこともあります。
【日本でSASを患っている患者数】
潜在的な患者 | 治療が必要な患者 |
約200万人 | 約30万人 |
つまり、日本人の約60人に一人がSASの可能性があり、成人喘息や緑内障と同じぐらいの割合でSASを患っている人がいます。
ですが、適切な治療や生活習慣に関する指導により、快適な睡眠を取り戻すことが可能です。
SASの人は、寝ているときに息苦しくて目が覚めることがあります。
イメージとしては、「水の中を潜っていて、苦しい!と思って、水中から出てきた時の感じ」だそうです。


潜在的な患者も多いみたいだし、SASのチェック方法はありますか?

まずはセルフチェックをしてみましょう。
✅夜は十分寝たのに、日中に強烈な眠気がくる
✅作業や会話に集中できず、物事を忘れやすい
✅起床時、頭痛があることが多い
✅イライラや気分の不安定さがある
✅起床時に喉や口の渇きがある

あなたはどうでしたか?
3個以上当てはまる場合は要注意と言われています。結果はあくまでも目安ですが、気になる症状がある場合は、一度病院を受診しましょう。
弊社代表もSASを患っており、その時は下記のような症状がありました。
✅夜は十分寝たのに、日中に強烈な眠気がくる
日中(11時から15時ぐらい)に起きてられないほどの強烈な眠気が襲ってきてしまう。ぼーっとした状態が続く。
✅作業や会話に集中できず、物事を忘れやすい
「あれ?何しようとしたんだっけ?」という口癖が増えていた。
そして、家族からの指摘もあったそうです。
家族やパートナーから、下記項目の指摘をされたことはありませんか?
✅大きないびきを指摘される
✅自分が寝ている時に呼吸が止まっていると指摘される
✅息苦しそうにしている、または寝ている時に息を吸う音が強いと指摘される
スマホアプリで睡眠中のいびきを記録できるものもあります。
指摘があった場合、一度、計測してみるのも良いかと思います。
そして、一人で悩まず、医師に相談することが大切です。
◎睡眠外来のある病院に行く
↓
◎簡易検査のキットを借りる
↓
◎一晩寝て自宅で検査(数値が悪く専門の病院に紹介状を書いてもらう)
↓
◎本格的な1日入院による検査
その時の検査結果がこちらです。医師にこのままだと健康状態が悪化し、 5年以内の死亡率が70%と宣言されました。そして、結果を踏まえCPAP(シーパップ)を導入しました。


なんと、びっくりな結果ですね!

シーパップ療法とは、機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。
この機械を装着して寝るのは、抵抗があるかもしれません。
横向きで寝るといびきが軽減されますが、途中で上を向いたら意味がないのです。そのため、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の改善には、CPAP(シーパップ)療法が効果的です。シーパップをつけていれば、呼吸は止まることはないので、家族やパートナーも安心できます。
SASが改善されると下記のようなことが期待できます!
- 日中の眠気が解消され、仕事や勉強の集中力が向上する
- 記憶力や判断力が向上し、認知機能の低下を防ぐ
- 自律神経のバランスが整い、心身の健康が向上する
- 気分が安定し、ストレスが減ることで生活の質が向上する
ご自身の状態が改善されるのはもちろんですが、いびきが減り、家族やパートナーの睡眠の質も向上します。
SASを予防するには生活習慣の改善も大切です。3つの改善点をお伝えします。
◎適正体重を維持する
・毎日ウォーキングするなど適度な運動を心がけよう
・暴飲暴食はせず、栄養バランスのとれた食事を摂り規則正しい生活を送ろう
◎就寝前の飲酒は控えたほうが無難
◎禁煙によって若干症状が改善したとの報告もある
私の夫も、お酒を飲まないと眠れないと言うので毎晩飲んでいます。
お酒を飲むと一時的に入眠しやすくなりますが、睡眠の質は低下しますし、のどの筋肉がゆるみ、気道が狭くなって息が止まりやすくなります。これが睡眠時無呼吸のリスクを高めるのです。
またタバコを吸うと気道に炎症が起こり、のどが腫れて空気の通りが悪くなります。そのため、睡眠時無呼吸のリスクが高まるのです。
◎気道が確保されやすい
◎空気の通りがスムーズになる
口で呼吸すると、鼻で呼吸するときよりものどが狭くなりやすく、気道がふさがりやすくなってしまうので、口呼吸の方は鼻呼吸に変えるのが良いです。

口呼吸から鼻呼吸へ変えるにはどうしたらいいのかな?
【鼻呼吸に変えるためのポイント】
◎口を閉じる習慣をつける
唇を軽く閉じることを意識しましょう。口の周りの筋肉を鍛えるあいうべ体操もおすすめです。
①「アー」大きく口を開ける
②「イー」口を横に大きく広げる
③「ウー」口を前に突き出す
④「ベー」舌を思い切り出す
これを1日30回繰り返します。
◎お風呂や蒸しタオルで鼻を温めて、鼻の通りをよくする
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、放置すると健康に深刻な影響を及ぼし、生命の危険につながる可能性がある疾患です。
ですが、適切な治療と生活習慣の改善によって、快適な睡眠を取り戻すことができます。
✅ SASの可能性がある場合のポイント
▶︎ セルフチェックをして、SASのリスクがあるか確認する
▶︎ 家族やパートナーからの指摘(いびきや呼吸停止など)を受けたら要注意
▶︎ 気になる場合は、医療機関で検査を受ける
✅ SASの予防・改善方法
▶︎ 生活習慣を見直す
▶︎ 規則正しい生活を送り、適度な運動を習慣化する
▶︎ 適正体重を維持することで気道の閉塞リスクを減らす
▶︎ 禁酒・禁煙を意識する
・アルコールはのどの筋肉をゆるめ、無呼吸を引き起こしやすい
・喫煙は気道に炎症を起こし、呼吸を妨げる
▶︎ 鼻呼吸を習慣づける
・口呼吸は気道を狭める原因に→あいうべ体操や鼻の通りをよくする対策をする
✅ 治療が必要な場合の対策
▶︎ 医療機関で検査を受け、適切な治療を受ける
▶︎ シーパップ療法(CPAP)を活用し、快適な睡眠を確保する
「いびきがひどい」「日中の眠気が強い」と感じたら、まずはセルフチェックをしてみましょう!
睡眠の質を改善し、健康的な生活を送るために、できることから始めてみてください。
気になる場合は医師に相談することが大切です。