毎日使う器を選ぶとき「丈夫で扱いやすいこと」や「暮らしになじむデザイン」を大切にしたいと感じる人は多いはずです。
前回の記事では、そんな視点から波佐見焼の魅力を紹介しました。
では、その波佐見焼と深い関わりを持ち、日本で最初に磁器が生まれた産地として知られる有田焼とはどんな焼き物なのでしょうか。

Sailing Dayの羊一です。どこか特別で少し敷居が高そうな有田焼。この記事では、有田焼の日本最初の磁器としての歴史や特徴、伊万里焼・波佐見焼との関係をひもときながら現代の暮らしにどのように寄り添ってきた器なのかをやさしく解説します。

1. 有田焼とは?
(1)日本ではじめて作られた「磁器」
有田は、日本で初めて磁器が作られた場所として知られています。そのきっかけは17世紀初頭、現在の佐賀県有田町で磁器の原料となる陶石が見つかったことでした。
当時、日本で使われていた器の多くは土ものの陶器で、磁器は中国から輸入される貴重な存在でした。そんな中、有田で陶石が発見されたことで日本でも本格的に磁器づくりが始まります。
有田は山に囲まれ、良質な陶石が採れただけでなく、器づくりに適した環境がそろった土地でした。

こうして生まれた有田焼は、見た目の美しさだけでなく、器としての性質そのものにも大きな特徴を持っています。
(2)「磁器」としての有田焼の特徴
◎高温で焼かれるため硬くて丈夫
◎水をほとんど吸わず汚れが染み込みにくい
◎清潔に保ちやすく毎日の食卓向き
◎薄く成形でき口当たりがなめらか
◎見た目は繊細でも実用性が高い

こうした性質から、有田焼は鑑賞用だけでなく日常使いの器としても発展してきました。
丈夫で扱いやすく電子レンジOK!「ちゃんとした器が一枚ある」それだけで、食卓の景色は変わります!
2. 伊万里焼・波佐見焼との違い
(1)伊万里焼と有田焼の違い
17世紀後半、有田焼は伊万里港から海外へ輸出されヨーロッパで高く評価されました。
この輸出の拠点が伊万里港であったことから、有田で作られた磁器は「IMARI(伊万里)」の名で知られるようになります。
そのため、伊万里焼と有田焼は歴史的には同じものとして扱われてきました。

現在では、作られた産地を示す名称として「有田焼」、歴史的・美術的な文脈では「伊万里焼」と呼び分けられることが多くなっています。
つまり、どちらも同じ有田で生まれた磁器を指す名称です!
(2)波佐見焼と有田焼それぞれの役割
有田焼と波佐見焼は、どちらも磁器の産地で近い場所で支え合ってきました。
ただ、器の性格には違いがあります。同じ磁器の産地でも両者は担ってきた役割が少し異なります。
波佐見焼が普段着だとしたら、有田焼はよそ行きの服

波佐見焼は気軽に使えて実用的、有田焼はデザインの幅が広く選ぶ楽しさがある器です。
どちらが上ということではなく、使う場面や気分に合わせて選び分ける関係で近年ではその境界もやわらかくなっています。
3. 有田焼は染付だけじゃない
(1)染付だけではない、有田焼の表現の広がり
有田焼というと、青と白の染付を思い浮かべる人が多いかもしれません。たしかにそれは有田焼を代表する表現のひとつです。
一方で、現在の有田焼には、色や装飾を抑えたまったく異なる表情の器もあります。こうした変化は現在の有田焼にも見ることができます。
アリタポーセリンラボのフラットプレート Mのように、色面と形の美しさを生かしたデザインは「有田焼=染付」というイメージをやわらかく広げてくれます。
価格:60000円 |

伝統的な技術を土台にしながら、現代の暮らしに合う色や形へと進化してきたことも有田焼の大きな特徴のひとつです。
(2)シンプルで現代の暮らしに合う有田焼のデザイン
最近の有田焼には、装飾を極力そぎ落としたシンプルなデザインの器も増えています。
たとえば、”柳原照弘氏が手がけた「TY Palace」シリーズ(1616 / arita japan)”のように、形そのものの美しさや余白を生かした器は従来の有田焼とは異なる印象を与えてくれます。
価格:3850円 |

伝統的な技術を背景に持ちながら、現代の食卓やインテリアに自然となじむデザインへと再構成されている点も特徴です。和食・洋食を問わず使いやすく「有田焼=特別な器」という距離感を、ぐっと縮めてくれます。
(3)毎日使える器としての有田焼
有田焼は見た目の美しさだけでなく、毎日の食卓で無理なく使えることも大きな魅力のひとつです。
磁器ならではの丈夫さに加え電子レンジや食洗機に対応した器も多く、扱いやすさの面でも日常使いに向いています。
たとえば「青白磁 究極のラーメン鉢」のようにしっかりとしたつくりでありながら軽く、気兼ねなく使える器も有田焼の中にはあります。特別な日のためにしまい込むのではなく「今日はこれを使おう」と自然に手が伸びる存在です。
価格:3410円~ |

こうした実用性があるからこそ有田焼は「少しきちんとした器」を日常の中で選びやすい存在として、改めて見直されています。
(4)料理を引き算してくれる器
有田焼の器には、料理そのものを引き立ててくれるものが多くあります。器が前に出すぎず、全体をすっきりと見せてくれるからです。
たとえば、深川製磁のブルーワイナリーのように、控えめな色合いと余白を生かした器は、料理の色や形を邪魔せず自然に整えてくれます。盛り付けを頑張らなくても、いつもの料理が落ち着いた印象に見えるのは、そのためです。
華やかさを足すのではなく、余計な情報をそっと引く。有田焼は、料理を主役にしたいときに心強い器と言えるでしょう。
【ふるさと納税】深川製磁 【有田焼】ブルーワイナリー ペア盛鉢・取皿セット A60-35 価格:60000円 |
有田焼は、日常の器として親しまれながらデザインや表現の幅を広げてきました。毎日の食卓に寄り添う器から、選ぶ楽しさのある器まで、その懐の深さも魅力のひとつです。
さらに、美しい器に料理を盛りつけることで、食べる時間に自然と集中できるようになります。食事のペースが落ち着き、咀嚼が増え食事そのものが丁寧な行為へと変わるきっかけにもなります。これは“食べる”という行為に対するマインドフルネスを高め、消化の促進やストレスの軽減といった心身の健康にもつながる大切な要素です。
毎日の暮らしに寄り添いながら、そっと整えてくれる。それが有田焼の持つ魅力です。

次回は、有田焼のメーカーごとにどんな違いがあるのかや、有田焼・伊万里焼・波佐見焼を並べてそれぞれがどんな役割を担ってきたのかを比較しながら見ていきます。
4. まとめ
◎ 同じ有田焼でも器の表情や立ち位置はさまざま
▶︎ 日本最初の磁器という共通の背景を持ちながら表現の幅や役割は一つではない。
▶︎ 装飾性の高い器からシンプルで日常使いしやすい器まで、方向性は多様。
◎ 重視する視点によって選ぶ有田焼は変わる
▶︎ デザイン性を楽しみたい人、毎日使える実用性を重視したい人、料理を引き立てたい人など、求める役割はそれぞれ。
▶︎ 何を大切にした器かによって有田焼の印象も使い心地も大きく変わる。
◎ 選ぶ基準は「憧れ」より「暮らし」
▶︎ どんな料理を作り、どんな食卓を過ごしたいかを想像することが大切。
▶︎ 自分の生活スタイルに合った有田焼を選ぶことで、器はより身近な存在になる。
◎ 知って選ぶことで有田焼はもっと心地よくなる
▶︎ 歴史や考え方を知ることで器への理解と愛着が深まる。
▶︎ 日常を少し整えてくれる一枚に出会うきっかけになれば幸い。
波佐見焼とは?今人気の理由・歴史・特徴を総まとめ|暮らしに合う器の魅力【前編】
器の波佐見焼を徹底比較|白山陶器・マルヒロ・一真窯の違いと選び方【後編】 
この記事の監修 長谷 有希央
◎安眠インストラクター
◎睡眠&寝具インストラクター
◎健康経営アドバイザー
◎中小企業診断士 の資格を持つ「眠りと健康経営の専門家」です。